タチツボスミレ・ネモフィラ・クサノオウ



タチツボスミレ(立坪菫)

タチツボスミレ(立坪菫

タチツボスミレ(立坪菫)はスミレ科スミレ属多年草。日本で、ごく身近に見られるスミレ類の一つである。丸い葉と立ち上がる茎が特徴である。

 種としてのスミレも普通種であるが、それ以上に普通種であり、日本を代表するスミレがタチツボスミレである。いくつかの近似種とともに広く見られる

 地下茎はやや短く、わずかに横にはい、古くなると木質化する。根出葉は細い葉柄があって、葉身は心形(ハート形)。葉にはあまり艶がない。花期は3 - 5月。花茎は葉の間から出て立ち上がり、先端がうつむいて花を付ける。花は典型的なスミレの花の形だが、スミレより丸っこく、花色は薄い紫が普通。

花期が終わると、葉の間から茎が伸び始める。茎は始め斜めに出て、それから立ち上がり、その茎の節々からも葉や花が出る。茎は高さ20センチメートルほどにまでなるが、年は越さず、次の春には、また地下茎から出発する。

北海道から琉球列島、国外では朝鮮南部、中国南部まで広く分布する。野原から山林内までさまざまな環境で見られる。垂直分布も幅が広く、本州中部では海岸から亜高山まで見られる。畑の周辺にもあるが、都会では本種よりスミレの方が優勢とされる。ただし個体数では本種が日本産スミレ中最大との評もある

近隣では南公園北側へ向かう歩道脇にみられる。

   ※詳しくは Wikipedia にて


ネモフィラ

 

  和名はルリカラクサ(瑠璃唐草)と言い、別名ベビーブルーアイズとも言う。

 ムラサキ科 / ルリカラクサ属(ネモフィラ属)である。

 北アメリカ西部原産地 の一年草で、草丈は10~20cm、開花期 4月~5月で花色は青,複色で耐寒性はやや弱く耐暑性も弱い。

 ネモフィラは森の妖精のような、澄んだブルーの花が愛らしく、春の花壇やコンテナの寄せ植えなどに多く利用されています。細かく切れ込んだ葉が密に茂り、自然に分枝して咲きながら大きくこんもりと成長します。株張りは20cm以上になり、鉢やコンテナの縁からあふれるように咲かせると見事です。緑化材料のワイルドフラワーとしても利用され、ハナビシソウ、リナリア、リムナンテス、ギリアなどと混合したタネを秋にまくと、4月には花いっぱいのお花畑がつくれます。ネモフィラ属には18種がありますが、栽培されるのはブルーのメンジェシー種(Nemophila menziesii=インシグニス)と、その変種2種、そしてファイブスポットと呼ばれる大輪のマクラータ種(N.maculata)です。

 グラウンドカバーにもできる。

 

   ※詳しくは NHK趣味の園芸 にて


クサノオウ

 

 クサノオウは、ケシ科 クサノオウ属に属する一年生(越年草)の草本植物です。

 日本と中国に分布するヤマブキソウは花が似ており本属に含められる場合がありますが葉っぱは全く違います

 種としてのクサノオウ ユーラシア大陸一帯とその周辺に広く分布する植物で、ヨーロッパから北アメリカへも移植され同地にも広く分布しています。日本には北海道から九州まで分布しています

 クサノオウは野原や林縁に自生し、前年の秋に散布された種子はすぐに発芽して根出葉から成るロゼットを形成し越冬します。春になると中空の茎を直立させ草丈40-80cm程度までに育ちます。葉は1-2回程度で深裂し、羽状複葉となって30cmまでに伸びますが、複雑なトマトのような形です。花は直径2cm程度の鮮やかで美しい黄色の四弁花で、稀に八重咲きの株がある。5月から7月までの長期間にわたって咲いた後に、長さ3-4cmの莢が上を向いて実る。莢中にある半球形の種子は黒く、同じケシ科の植物タケニグサ,ケナシチャンパギクと同じ様に種子枕が付着しており、これに誘引された蟻が餌として持ち帰り、種子枕を収穫した後は種子部分は廃棄する事により散布,播種されます。

 植物体を傷つけると、クサノオウと同一性分を多く含むタケニグサ,ケナシチャンパギクが橙色の乳汁を出すのと同じく、多種にわたる有毒アルカロイド成分を含む、黄~橙色の乳汁をクサノオウも滲出させます。此の乳汁は皮膚に触れると炎症を起す事が多くあります。皮膚の弱い人は植物体も触れると炎症を発生させる場合があると云います。

                                

 毒草として

 全草に約21種のアルカロイド成分を含み、その多くが人にとって有毒です。本種を特徴づける黄色い乳汁などはその最たるものですが、古くから薬用に供されており毒性が知れわたっていたからか、誤食による中毒事故は少ないようです。乳汁が皮膚に触れると炎症を起こす場合があり、誤食すると昏睡、呼吸麻痺、感覚末梢神経麻痺などを起こす可能性があります。動物実験では嘔吐のデータがあります。

 クサノオウにはケリドニウムアルカロイドが多く含まれます。本種に含まれるアルカロイド成分の1つ、ケリドニンにはケシから採取されるモルヒネに似た中枢神経抑制作用があります。もっともその効果はモルヒネよりはるかに弱いものです。このほかプロトピンやケリジメリン 、サンギナリン、ケレリトリン、リンゴ酸、ベルベリン、ケリドン酸などが含まれます。観賞用に持ち込まれているカナダケシも同じ様なサンギナリ等の成分を含んだ橙色の乳汁を出します。

 薬草として

 古くから主に民間療法において薬草として使用されてきた歴史があります。漢方ではつぼみの頃に刈り取った地上部を乾燥させたものを白屈菜と称し、特にいぼ取りや、水虫、いんきんたむしといった皮膚疾患、外傷の手当てに対して使用されました。また煎じて服用すると消炎性鎮痛剤として作用し胃病など内臓疾患に対して効果がある、ともされています。しかし胃などの痛み止めとして用いる際には嘔吐や神経麻痺といった副作用も現れます。湿疹、疥癬、たむし、いぼといった皮膚疾患の外用薬としても有効なのですが、有毒植物である為に内服用も外用も、素人が処方無しで用いるのは危険です。

 ただ、三橋 (1998) はこのような危険性について断り書きを入れたうえで、外用する際の具体的な使用法を以下のように紹介しています。

  • 湿疹の際には白屈菜を約50グラム煎じた液で患部を洗浄する。但し、煎じる為の水の量が不明で危険です。
  • 打撲、腫れ物、虫さされ、たむし、疥癬などの場合には、花期の葉を採取して細かく刻んで焼酎に漬けたものを患部に塗布します。焼酎の量と漬け込むクサノオウの量が不明なので危険です。

 現代においても効果的な下剤として利用可能という説で評価がされていますが、何分毒性が強いのでその使用は専門家の指導を仰ぐべきです。

 西洋ではケリドニンの中枢神経抑制作用を利用してアヘンの代替品として用いられたり、癌の痛み止めにも使用されました。日本では晩年に胃癌を患った尾崎紅葉がこの目的で使用したことで特に有名ですが、本種自体が強い毒性を併せ持つので現在は用いられません。

 多様な別名

 本種の和名クサノオウについては以下の3つの命名由来説があります。

  1. 植物体を傷つけると黄~橙色の乳汁を滲出するので草の黄であると云う。の説。
  2. 皮膚疾患に有効な薬草という意味で瘡(くさ)の王だと云う。説があり。
  3. 皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に用いられたことから、薬草の王様という意味で草の王である。と云う説。

 またイボクサ(疣草)、タムシグサ(田虫草)、ヒゼングサ(皮癬草)、チドメグサ(血止草)などの地方名がありますが、いずれも皮膚病の薬として用いたことに由来しています。 なお、チドメグサの名は全く別種の草本の標準和名でもあるため注意が必要です。

 属の学名 Chelidonium は、ギリシャ語のツバメに由来しています。これは母燕が本種の乳汁でヒナの眼を洗って視力を強めるという伝承に基づいています。薬効もありますが、有毒成分も多々含んでいる為、目を洗うのは避けるべきでです。

 

   ※詳しくは Wikipedia にて