ハコベ・姫踊り子草・ムラサキケマン・ホトケノザ


ハコベ(繁縷、蘩蔞)

ハコベ web

 ハコベ(繁縷、蘩蔞)

 

 ナデシコ科ハコベ属の総称。

 「コハコベ」と「ハコベ」は同一種で、植物学上の標準的な和名は「ハコベ」。 

 現代では「ハコベ」の名よりも「コハコベ」とすることが多いが「ミドリハコベ」をハコベと呼ぶこともある。

 コハコベは越年草でハコベラとも呼び、春の七草のひとつでもある。

  花も葉も小さい小型の2年草。

 草丈10cm~20cmほどで、葉も茎も柔らかく、分枝して広がる。 

 花は、早春から初秋までと花期は長い。

 花径は7mm前後で、花弁は白く5枚だが、花弁が2深裂しているため、花弁は10枚に見える。 

 葉は多くつき、卵型で長さ1cmから、せいぜい2cmほど。

 「ハコベ」の名は、万葉集に現われている「波久培良(ハクベラ)」から「ハコベラ」になり、「ハコベ」に転訛したものというのが一般的な説。

 コハコベ(ハコベ)では通常茎が紫色を帯びており、ミドリハコベは緑色を帯びている。

 ミドリハコベもコハコベ(ハコベ)同様に利用されてきたようである。 

 天日乾燥したものが生薬の「繁縷(ハンロウ)」で、煎じたものに産後の浄血、催乳や肝臓病のむくみなどに効能があるとされている。( 民間薬的なもの)

 昔は、干して砕き塩をまぜて、歯磨(はみがき)粉にしたようである。 

 若い葉や茎を茹でて、おひたし、あえもの、汁の実などにしたり、そのまま天ぷらにして食する。(春の七草の1つ)

  アルカスでは、緑道中央付近や集会室付近などで見かけることがある

 

    ※詳しくは Wikipedia 多摩丘陵の植物と里山の研究室 など。


姫踊り子草

ヒメオドリコソウ

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)

 

 シソ科のヨーロッパ原産の帰化植物。

 道端や庭などによく生えている越年草。

 日本には明治時代中期に帰化した外来種で、主に本州を中心に分布する。

 茎は短い毛を持つ。根元で枝分かれし、草丈は10cm~25cmまれに30cm程度に達する。

 葉は対生し、長さ1、2cmの葉柄をもつ。葉身は長さ2から4cm程度の卵円形で縁は鈍い鋸歯を持つ。葉脈は網目状で窪み、全体にしわがあるように見える。上部では暗紫色を帯びる。葉をもむと悪臭がある。

 花は日本の関東地方では3月から5月にかけて開花する。明るい赤紫色の唇形花で、上唇片は兜の形で、下唇片先が2裂し赤い斑点があり、上部の葉の脇から外側に向かって開き、上から見ると放射状に並ぶ。

 温暖な地域では年間を通じて開花し、他の花が少ない時期にはミツバチにとっては重要な蜜の供給源となる。 しばしばホトケノザとともに生えており、葉と花の色が似ているが、上部の葉の色づくこと、葉の先端が尖るほか上部の葉も葉柄を持つことで容易に見分けはつく。

 花がないときには、外観的にイラクサ類  と似ているが、分類上はかけ離れており(イラクサはイラクサ科)、刺もない。このため英語では "deadnettle" と呼ばれる。

 中国・朝鮮半島から日本に分布するオドリコソウ(踊り子草)の同属であるが、背丈・葉や花の大きさとも半分以下で小さいため「姫」の名を冠して呼ばれる。

 花序が環状に並ぶ様子を、踊り子が並んで踊るさまに例えて名づけられたものとされるが、オドリコソウでは花の段の間が広いのに対して、ヒメオドリコソウは互いに接近してつくため、見かけの印象はかなり異なる。

 ちなみに突然変異などで、花の色が白くなったヒメオドリコソウをシロバナヒメオドリコソウと呼び、ヒメオドリコソウと区別することもある。 

  アルカスでも木陰なっでみることがあるがまれである。

 

 ※詳しくは Wikipedia 多摩丘陵の植物と里山の研究室 など。


ムラサキケマン(紫華鬘)

ムラサキケマン 東棟南

 ムラサキケマン(紫華鬘)

 

 キケマン属の越年草。

 茎は真っ直ぐに立ち、高さは30-50cmほど。茎には複数の葉がつき、それぞれ斜め上に伸びて2-3回3出複葉、小葉は扇形に近く、先端は丸くて、丸い鋸歯がある。葉質は薄くて柔らかく、つやを欠く。

 花期は4-6月で、赤紫色の長さ2cmでキケマン属に独特の筒状の花を咲かせる。

 果実は豆の果実に似る。

 日本全国に分布し、国外では中国から知られる。木陰などの直射日光の当たらない場所に生育する。

 一般にこの植物は越年草といわれるが、実際にはもう少し複雑な生活史を持っている。この植物の種子は6月頃に成熟するが、これは発芽するのは翌年の春で、初夏まで成長した後、地上部は枯れ、地下に団子状の塊茎を残す。

 これが再び活動するのはその年の秋で、数枚の葉を出して年を越し、春になると花茎を立てて花をつけ、結実すると全体が枯れる。上記の特徴の説明はこの花時期のものである。

 全草にプロトピンを含み有毒。誤食すれば嘔吐・呼吸麻痺・心臓麻痺などを引き起こす。 ウスバシロチョウの幼虫の食草であり、このためウスバシロチョウも有毒となる。また、植物体を傷つけたときに出る汁は悪臭がする。だが、実際に茎を折って匂いをかいでみると、特に臭いの感じられない個体も多い。 山菜であるシャクと生育場所や葉の形が非常によく似ているため、注意が必要である。

 アルカスでも木陰なっでみることがあるがまれである。

 

 

※詳しくは Wikipedia など。


ホトケノザ(仏の座

ホトケノザ(仏の座

シソ科オドリコソウ属一年草あるいは越年草である。サンガイグサという別名も持つ。なお、春の七草に数えられる「仏の座」とは異なる。漢字では当て字で、「元宝草」や「宝蓋草」とも書く。

 成長した際の高さは10センチメートルから30センチメートルぐらい。四角断面のは柔らかく、下部で枝分かれして、先は直立する。

対生で、縁に鈍い鋸歯があり、下部では葉枝を持つ円形、上部では葉枝はなく茎を抱く。は段々につくことから、俗にサンガイグサ(三階草)とも呼ばれる。

期は3月から6月で、上部の葉脇に長さ2センチメートルほどの形状の花をつける。上唇はかぶと状で短毛がびっしり生え、下唇は2裂し濃い紅色の斑点がある。つぼみのままで結実する閉鎖花が混じることが多い。白い花をつけるものもあり、シロバナホトケノザ(f. albiflorum)と呼ばれる。

種子には白い物質が付着する。これにはアリが好むエライオソームと呼ばれる物質が含有しており、これによってアリの手で遠くまで運ばれ、芽吹くことが知られている。

 子供が花びらを抜き取り、それを吸ってを味わって遊ぶことがある。

春の七草の1つに「ほとけのざ」が挙げられるものの、これは本種のことではなく、標準和名コオニタビラコというキク科の草である。ところが、このためにこの種を七草の「ほとけのざ」であると誤解されている場合がある。本種は食用ではないため、注意を要する。

 

※詳しくは Wikipedia など。