ヒガンバナ(彼岸花)
ヒガンバナ(彼岸花)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草である。
クロンキスト体系ではユリ科。
リコリス、曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれる。
全草有毒な多年生の球根性植物。散形花序で6枚の花弁が放射状につく。
道端などに群生し、9月中旬に赤い花をつけるが、稀に白いものもある。その姿は独特で、夏の終わりから秋の初めにかけて、高さ30 - 50cmの枝も葉も節もない花茎が地上に突出し、その先端に苞に包まれた花序が一つだけ付く。苞が破れると5 - 7個前後の花が顔を出す。花は短い柄があって横を向いて開き、全体としてはすべての花が輪生状に外向きに並ぶ。花弁は長さ40mm、幅約5mmと細長く、大きく反り返る。
開花終了の後、晩秋に長さ30 - 50cmの線形の細い葉をロゼット状(上の画像)に出す。葉は深緑でつやがある。葉は冬中は姿が見られるが、翌春になると枯れてしまい、秋が近づくまで地表には何も生えてこない。
欧米では園芸品種が多く開発されている。園芸品種には赤のほか白、黄色の花弁をもつものがある。
日本には北海道から琉球列島まで見られるが、自生ではなく、ユーラシア大陸東部から帰化したものと考えられる。その経緯については、稲作の伝来時に土と共に鱗茎が混入してきて広まったといわれているが、土に穴を掘る小動物を避けるために有毒な鱗茎をあえて持ち込み、畦や土手に植えたとも考えられる。また鱗茎は適切に用いれば薬になる。そのような有用植物としての働きを熟知して運び込まれた可能性もある。
●有毒性に関して
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリン等)を多く含む有毒植物。経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死に至ることもある。
日本では水田の畦や墓地に多く見られるが、人為的に植えられたものと考えられている。その目的は、畦の場合はネズミ、モグラ、虫など田を荒らす動物がその鱗茎の毒を嫌って避ける(忌避)ように、墓地の場合は虫除け及び土葬後、死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐためとされる。モグラは肉食のためヒガンバナに無縁という見解もあるが、エサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まないためにこの草の近くにはモグラが来ないともいう。
鱗茎は石蒜(せきさん)という名の生薬であり、利尿や去痰作用があるが、有毒であるため素人が民間療法として利用するのは危険である。毒成分の一つであるガランタミンはアルツハイマー病の治療薬として利用されている。
彼岸花の名は秋の彼岸ごろから開花することに由来する。別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来する。ただし、仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」であり、ヒガンバナの外観とは似ても似つかぬものである。
異名が多く、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあと呼んで、日本では不吉であると忌み嫌われることもあるが、反対に「赤い花・天上の花」の意味で、めでたい兆しとされることもある。
秋の季語。
花の形が燃え盛る炎のように見えることから、家に持って帰ると火事になるなどという迷信もある。
近隣では埼玉県日高市にある巾着田 が ヒガンバナの名所として知られる。500万本のヒガンバナが咲き壮観であるが、シーズン中は大変混み合っている。
アルカスには緑道に何株かがあり、9月には美しい花を咲かせる。
※詳しくは Wikipedia にて。
アマリリス(Amaryllis)
アマリリス(Amaryllis)
ヒガンバナ科ヒッペアストルム属 。
原種は中南米・西インド諸島に約90種があり、数百種類の園芸品種が作出され、現在もその数は増え続けている。
名前は古代ギリシャやローマの詩に登場する羊飼いのアマリリスから取られている。
地中に鱗茎を形成する多年草で初夏にユリに似た基本的に六弁の大きい花を2 - 4個つける。花の色は白・赤・薄紅・淡黄など。現在販売されている球根には八重咲きのものも多い。
18世紀初頭に南米からヨーロッパに生体がもたらされた後、品種改良がされ、1870年頃には現在園芸店で販売されているような巨大な大輪品種が誕生するようになった。
春植え球根の代表種である。
ヒガンバナ科のほかの植物と同じく、球根などにリコリンを含み有毒。
アルカスでは緑道に1株あるが、園芸品種名は私には分からない。5月が花の見ごろ。
※詳しくは Wikipedia にて。
テッポウユリ(鉄砲百合)
テッポウユリ(鉄砲百合)
ユリ目ユリ科ユリ属 多年生草本球根植物。
ラッパに似た形の筒状の花を横向きに咲かせる。
丈は 50cm-1m 程度。楕円形で長い葉をつけ、葉脈は水平方向に入る。茎の頂上に純白で細長い花を横向きにつける。花長は 10-15cm、直径 5cm ほど。雌雄同花である。
近縁種タカサゴユリに酷似するが、一般にタカサゴユリよりも小型であり、葉が太めで、花が白く筋などが入らない点で区別する。
近年タカサゴユリとの園芸交雑種が多く、変異も起きやすく違いが判別しにくい。
タカサゴユリはテッポウユリに似るが、茎が比較的太く丈夫で、丈が 1.5m ほどに生長するものもある。花長は 15-20cm、直径は 5cm より大きめと、テッポウユリよりも大型になる。
種子を多くつけ、風で運ばれて分布を拡げる。
タカサゴユリは台湾固有種で、沖縄方言などで台湾を指す言葉「タカサング」に由来すると言われる。
アルカスには緑道中央付近と東棟南などに点在しているが、もしかしてタカサゴユリかもしれないと思うようになってきた。テッポウユリとタカサゴユリを比較してみたことが無いので・・・
※詳しくは Wikipedia にて。
タマスダレ(玉簾)
タマスダレ(玉簾)
彼岸花(ひがんばな)科 ゼフィランサス(タマスダレ)属で草丈20~30cmくらいで昔から人気のある春植え球根。
西インド諸島~南米ペルー原産が原産地で明治の初め頃に日本に渡った栽培種。
開花時期は、 8/ 5 ~ 10/10頃で、白く美しい花を「玉」に、葉が集まっているようすを「簾」にたとえた。
6弁花で、上向きに咲くき、葉は細長い。
黒い実がなり、形は 狐の剃刀 に似ている。
ホトトギス(杜鵑草)
ホトトギス(杜鵑草)
百合(ゆり)科の ホトトギス属で 短い剛毛がある。
開花時期は、 8月下旬 ~ 11月中旬頃で、秋に日陰に多く生える。若葉や花にある斑点模様が鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることからこの名がついた。葉にある斑点は花が咲く頃には消える。
「杜鵑」とも書き、鳥のホトトギスのは不如帰」と書く。
種類はいろいろあり、ふつうに見かけるのは「台湾(たいわん)杜鵑」や、花の黄色い「玉川(たまがわ)杜鵑草」、「黄花(きばな)の杜鵑草」、「黄花(きばな)の突抜(つきぬき)杜鵑草」 「高隈(たかくま)杜鵑草」などで、その他「山杜鵑草」「山路の杜鵑草」などがある。
花言葉は「秘めた意志」。
アルカスマンションの近隣ではグランドメゾン脇の歩道でしか見かけないが、種類は「台湾(たいわん)杜鵑」であろうと思われる。