ハキダメギク・ヘビイチゴ・スベリヒユ


ハキダメギク(掃溜菊)

ハキダメギク(掃溜菊)

 

 キク科コゴメギク属の一年生植物。

道ばたや庭などに生える雑草。 牧野富太郎が世田谷の掃き溜めで発見したのでこの名前がついた。

 茎は分岐を繰り返し、高さ20 - 60cm程度になる。草全体が柔らかい草質をしている。枝葉ともに白い毛が生える。

 夏から秋の6 - 11月にかけて、頂部に小さな花を咲かせたあと、急に葉腋から岐散状に盛んに分枝を繰り返し、各枝の先に小さな頭花をつける。頭花は直径5mm程度。5枚前後の先端が3中裂する短い白色の舌状花があり、および多数の黄色の筒状花からなる。舌状花も筒状花も同形の冠毛をもっており、冠毛の縁が毛のように裂けて、先端がするどく尖っている。

 果実は痩果(そうか)で、黒く熟する。鱗片状の冠毛で風に乗って種子が散布される。

 熱帯アメリカ原産。南アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジア(日本を含む)に移入分布する。日本では明治時代の初期に渡来したといわれ、1920 - 1930年代に報告され始めた。現在では全国に帰化植物として定着しており、都会地の道端や空き地などに広がりつつある。

 アルカスでは東棟北側や貯水槽付近に見られる。


ヘビイチゴ(蛇苺)

 ヘビイチゴ(蛇苺)

 

 バラ科キジムシロ属の多年草。語源については実が食用にならずヘビが食べるイチゴ、ヘビがいそうな所に生育する、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからなど諸説がある。

 毒があるという俗説があり、ドクイチゴとも呼ばれるが無毒で、人間が食べても体に害はない。

 畦道や野原などの湿った草地に自生し、アジア南東部と日本全土に広く分布する。

 茎は短く、葉を根出状につけるが、よく匍匐茎を出して地面を這って伸びる。葉は三出複葉、楕円形の小葉には細かい鋸歯があって深緑。

 初夏より葉のわきから顔を出すように黄色い花を付ける。花は直径1.5cmほどで、花弁の数は5つと決まっている。花期は4月から6月。

花のあとに花床が膨らんで光沢のない薄紅色の花床となる。果実の表面には多数の痩果が付き、赤色で球形、イチゴに多少似たものがなる。毒は含まれないので食用可能だが、あまり味が無いため食用(特に生食)には好まれない。ジャムに加工可能。

全草や果実を乾燥させたものは漢方の生薬として利用される。

 アルカスでも色々なところで時折見かける。写真は西棟北側来客用駐輪場脇のもの。

 

※詳しくは Wikipedia にて


スベリヒユ(滑莧)

スベリヒユ(滑莧)

 

 スベリヒユ科スベリヒユ属の多年生植物。

同属にはマツバボタンなどが知られる。

 茎は赤紫色を帯び、地を這って分枝。葉は長円形の肉質で互生。

 夏期、枝先に黄色の小さな花を咲かせる。果実は熟すと上部が取れるふたの付いた果実で、黒色の種子が落ちる。

 植物内に蓄積されたリンゴ酸に由来する酸味があり、ぬめりのある独特の食感を持つ。

 世界の熱帯から温帯にかけて幅広く分布し、日本全土で見られる。

 乾燥耐性があり、畑や路傍など日当たりの良い所に自然に生える。

 農業においては畑作の害草として知られ、全般的に執拗な雑草として嫌われる傾向にあるが、地域によっては食料として畑作もされる

「莧」(草かんむりに「見」)の字を当てる。「スベリヒユ」の名は茹でた際に出るぬめりに由来するとされる。

 スベリヒユおよびその近縁の種は健康食品としても使われるω-3脂肪酸を多量に含む植物として知られている。

 山形県では「ひょう」と呼び、茹でて芥子醤油で食べる一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされた。また沖縄県では「ニンブトゥカー(念仏鉦)」と呼ばれ、葉物野菜の不足する夏季に重宝される。また海外でもトルコやギリシャでは生または炒めてサラダにする。

 全草を「馬歯莧」(または莧を「見」で代用して馬歯見;ばしけん)と呼び、民間薬として解熱、解毒、虫毒に利用される。

 アルカスでも7月以降緑道の東半分で大量に見かける。

 

※詳しくは Wikipedia にて