小判草・カモジグサ・カゼクサ・メリケンカルカヤ・イヌムギ


コバンソウ(小判草

コバンソウ 緑道

コバンソウ(小判草

 

 単子葉植物イネ科コバンソウ属の一年生植物。

 小判に似た形の小穂をつけることから名付けられた。

 草丈は10-60cm程度になる。茎は直立し、根元はややほふくする。

 葉は細長く、長さ5-10cm、幅3-8mmで毛がなく縁がざらつく。葉舌はまるく毛がない。

 小穂は左右から扁平だが鱗片はふくらんで厚みがある。一対の包穎のみやや濃く色づくが、他の護穎は淡い緑色から成熟すると黄褐色に変わり、光沢があって美しい。和名はこれを小判に見立てたものである。

 別名にタワラムギがあり、これもふくらんだ小穂の形を俵に見立てたものである。

 アルカスマンションでは昨年緑道の中央付近に多くみられたが、今年(2017,5)は少ない。

 

 ※詳しくは Wikipedia にて。 


カモジグサ

カモジグサ 緑道

カモジグサ

 

 イネ科エゾムギ属の多年草の雑草で、道端でごく普通に見られる。大きめの小穂をつけた細い穂がたれ、また小穂に長い芒が出るのが目立つ。

 初夏に穂が出て、穂には柄のない小穂が並ぶこと、穂がやや偏平で細長く、よく発達した芒が上に向いて伸びていることが目安になる。ただし近似種は多い。

 葉は茎の節から出て長さ20-30cm,幅5-10mm、緑色でつやはない。

 花期は5-7月、穂は茎の先端から伸びて立ち上がり、先端は弓型にたれる

 

 

 乾いた草地に普通で、路傍でよく見かける。日本では北海道から琉球列島まで広く見られる。国外では朝鮮から中国まで見られる。

近似種は数種が見られるが、特に以下の種はほぼ同様の環境で同じように普通に見られる。

 アオカモジグサ:外見的にも細部でもよく似ているが、はっきりと別種である。名前はカモジグサに比べて緑に見えることによる。具体的にはカモシグサが緑であるが粉を吹いたように白っぽく、小穂や芒が紫を帯びるのに対して、アオカモジグサは全体に緑が強く、粉を吹いたようであったり紫を帯びることがない。

 このような多数の花を含む小穂を柄のない穂状花序につけるものとしてはドクムギ属のものもあり、複数種が雑草として普通種であるが、より小穂が幅広くて偏平で、芒はそれほど発達しない。

 アルカス敷地内でも集会室付近や緑道でみかけることがある。

 写真は緑道中央付近。

 

 ※詳しくは Wikipedia にて。 


カゼクサ(風草)

カゼクサ(風草)

 カゼクサ(風草)は、単子葉類イネ科スズメガヤ属の多年草で、道端や人家周辺の荒れ地にごく普通の大きな株になる雑草である。大柄な広がった穂に細かい小穂を多数つけるのが特徴である。名称は中国名の知風草から。

 株立ちになる草で、匍匐茎(ホフクケイ)はないが、大きな集団を作りやすい。普段は立つ茎は出ない。根元から出る葉は線形で長さ30-40cm程度、斜めに立ち上がる。基部は葉鞘となっている。葉鞘は左右から偏平になっていて、背中側は少し隆起している。

 

 秋に出る穂は葉の間から立ち上がった茎の先端について、葉より抜け出し、高さは80cm程になる。花序は円錐花序で、多数の枝を出すが、それぞれの枝は大きな角度で広がり、全体としては縦長ながらも非常にまばらな姿となる。小穂はそれぞれの枝の先端に真っすぐに突き出すように着く。個々の小穂は6-10mm、狭い卵形でやや偏平、緑色だが一部が紫に染まる。

 

 本州から九州に見られる。国外では朝鮮、中国からチベット方面に分布する。

ごく普通に見られる雑草である。大きな株を作り、引き抜くのは困難。しかし、畑地などに出現することは少なく、苦労して駆除するものでもない。

 

 スズメガヤ属 (Eragrostis) は世界の熱帯から温帯に約300種があり、エチオピアで主食に利用されるテフが含まれる。日本にも10種ほどがあり、そのうちで山野にあるものはスズメガヤの名で呼ばれ、やや趣が異なる。人里周辺ではニワホコリが雑草としてはごく普通種である。この種は特徴がカゼクサによく似るが、大きさが圧倒的に異なる

 アルカス周辺では南公園体育か東の歩道脇でしか見かけない。

 

 ※詳しくは Wikipedia にて。 

 

 


メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)

メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)は、イネ科メリケンカルカヤ属の雑草の一種。

 直立する茎には枝が多く、多数の綿毛をまとった穂が付くが、枝は主茎に寄り添い、また綿毛の穂は成熟時まで苞に包まれるので単独の茎のみのような姿で見られる。

 直立する多年生の草本。茎は多数が基部から束になって生じ、高さ50-120cmに達する。当然ながら普通は緑色であるが、果実が熟する頃には葉まで赤褐色になり、遠目でもよくわかる。節毎に生じる葉はその基部が葉鞘となるが、この葉鞘は左右に扁平で背中側には竜骨があり、また茎の下部では互いに抱き合うように折り重なっている。葉舌は高さ0.6mmほど。葉身は長さ10-30cm、幅2-5mmだが中央の主脈で左右から2つ折りとなり、多くは茎に沿う形で直立する。

 上記のようにこの植物の花序は総の軸に小穂が並ぶ形を取るが、その細部はなかなか複雑である。まず軸に並ぶ小穂には2形があり、柄がなくてそのまま基部が主軸に接する無柄小穂と、軸から伸びる柄を持つ有柄小穂がある。有柄小穂の柄は無柄小穂の基部から出ており、この2つが1つのセットを作り、それが軸に並んでいる。このような2形の小穂が1つのセットを作るのは他にも例が多く、その場合、有柄小穂の方が種子を作らないことも多い。が、本種の場合、それが極端で、小穂そのもの、つまり頴や花の構造は全く存在せず、柄のみが存在する。つまり有柄小穂の存在はその柄だけでしか確認できない。その柄は長さ4-5mmで、無柄小穂よりやや長く、また全体に柔らかい毛が出ている。この毛は長さが8mmを越える。またこの毛は開出、つまり柄に対して直角に近い大きな角度で出ている。

 

 無柄小穂は長さ3-4mmで、輪郭は披針形をしている。2小花からなるが、基部側の第1小花は退化して護頴のみを残し、第2小花が両性花として結実する能力を持つ。1対の包頴はほぼ同形で、質は厚く、脈は明かでない。第1小花の護頴は薄い膜質で、縁に近く細い脈が2本走る。第2小花の護頴は他の頴よりずっと小さくて膜質だがその主脈は突き出して長さ1-2cmにも達する細い芒となっており、この部分は小穂全体から突き出して伸びている。

 

 上記のようにこの植物では総の軸の関節で折れて散布体となる。従ってそこには小穂1セット分の総の軸に無柄小穂と有柄小穂の柄が付いており、軸と有柄小穂の柄から生じる長く細い毛に覆われている。この毛が風を受け、散布体の分散に預かる。

 

 花期は10-11月。茎の上半分ほどの部分では節から出る葉が葉身を持たない鞘の部分だけの苞葉となり、その長さは数cmで、その内側に2~数本の総、つまり小穂の並ぶ軸を抱える。この軸には小穂が並んでおり、軸と小穂の柄からは多数の細くて長い綿毛が生えている。またこの軸には小穂ごとに関節があり、成熟時にはこの関節で分離し、軸の一部と小穂とがひとまとめとなって脱落し、風によって散布される。

 

 原産地は北アメリカで、南アメリカ、東アジア、オーストラリア、太平洋諸島にも外来種(帰化植物)として分布する。オーストラリアなどでは侵略的な外来種として扱われている。

 

 日本における本種の導入経路は不明だが、1940年頃に愛知県で確認され、現在では、関東地方以西に広く分布している。各地で増加しており、在来種や農作物と競争し駆逐する危険性がある。したがって、外来生物法により要注意外来生物に指定されている。

 

 畑地、水田のあぜ、果樹園、牧草地、空き地などに発生する。

 

 

 和名はアメリカから来たカルカヤ、の意である。

 

 ※詳しくは Wikipedia にて。  


イヌムギ(犬麦)

イヌムギは、ありふれたイネ科雑草の一つ。(ノギ=種子の先のトゲ)のほとんどない、先端のとがった楕円形の小穂をつける。緑色の大きな小穂が目印。

イヌムギ(Bromus catharticus Vahl)は、単子葉植物イネ科スズメノチャヒキ属の植物である。日本ではごく普通な雑草としてよく見られるもののひとつで、その中ではやや大きく偏平な小穂が目につきやすい。

根元で枝分かれして束生し、背丈は40-100cmに達する。葉は細長く、長さ15-30mm、幅は4-10mm、ほぼ偏平で緑色。基部はやや二つ折の葉鞘となる。茎の下部ではここに白毛を密生する。

花期は5-8月で、茎の先端から円錐花序を出す。茎は数個の節があって、それぞれから少数の枝を伸ばし、それぞれに1-4個の小穂をつける。全体としてはごくまばらに小穂をつけた枝が、先端に向かってやや垂れる。

小穂は両端のとがった披針形で偏平、長さ2-2.5cm。緑色で無毛、6-10花を含む。穎はいずれも先がとがり、ごく短い芒があるが、肉眼的にはほとんどない印象である。日本産のものでは内部の花は閉鎖花であり、開かないままで結実する。

この類の小穂は比較的単純で、二列に並んだほぼ同じ形の小花が数個並び、基部の一対の包穎、小花ごとの護穎はいずれもよく似ているから、単に同じような鱗片が重なっているように見える。実際には第一包穎が一回り小さく、葉脈の数も少ない(第一包穎は3-5、第二包穎は7-9、護穎は約10)。内穎は外から見えないが他の穎の半分ほど。

乾燥した草地に生える。道ばたでもよく見かけ、背丈や生育の雰囲気はカモジグサなどにも似ている。

北海道から九州まで広く見られる。ただし沖縄にはない。原産は南アメリカ、現在ではヨーロッパ、北アメリカにも帰化している。日本への侵入は明治初年。

 

ごくありふれた雑草である。農耕地でも放置すると生えてくる。